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Tea. TRIP 003

愛でて嬉しい八宝茶

身体に良い薬膳素材がたくさん入った健康茶。飲んで、眺めて、楽しんで♪

八宝茶を楽しむ時はぜひガラスの茶器で

八宝茶の中身その1

八宝茶の中身その2

春節気分で楽しむ八宝茶

広がる生薬と緑茶の香り

八宝茶は、身体に良い生薬の素材やお茶を8種類とり混ぜていれた薬膳茶です。 8種類と言っても数や内容に決まりがあるわけではないので、作る人によって中身はさまざま。 棗(なつめ)や杏子、松の実、蓮の実などが定番ですが、最近は色とりどりの食用花や果実なども含めたお茶もあるようです。

飲んでおいしく、眺めて楽しい八宝茶。

今回は八宝茶を存分に楽しめる、梅花流のいれ方をご紹介します。

1. 素材を愛でる

まずはお茶の袋から八宝茶を取り出して、中身を拝見。

おもちゃ箱の中のように重なったたくさんの素材をひとつひとつ丁寧に広げて見ていくと、そのお茶の効能も見えてきます。

八宝茶と言えば必ずと言っていいほど入っているのが、赤黒く大きな干し棗(なつめ)の実です。 棗は薬膳料理でも有名な参鶏湯(サムゲタン)に入っているほか、甘く煮たり、そのままかじって食べたりもします。 昔からその効能は様々な国で知られていて、日本でもあの有名な風邪薬『葛根湯』に入っていたりします。滋養強壮や鎮静作用のある薬膳のスター選手です。

ほかにも、オレンジ色の杏子(アンズ)の実や小さな赤い枸杞の実、日本人にはちょっと馴染みの少ない龍眼(りゅうがん、ろんがん)の実などがあります。 どれも甘さのある実でお茶に甘い香りを添えてくれる果実たちです。 龍眼の実は大きな丸い殻に入っている場合がありますが、その場合は殻を割り中の実を取り出してお茶に使います。

次は栄養の高い素材たちを探してみましょう。 緑色の少し大きめの種はカボチャの種、殻を割った中身の杏の部分です。 白色のコーンのような形の種はご存じ松の実、噛むとゴマのような味が広がる栄養の高い種です。 白くぱりぱりとしたドレープのある素材は白木耳(しろきくらげ)です。アンチエイジングにもいいそうですが、なんと言ってもお茶に入れた時に広がるその美しさが見物。 ぜひ楽しみにしていてください。

最後に香りや味のかなめとなるのが菊花や陳皮(ミカンの皮)などの爽やかなフレーバーと、氷砂糖、そして茶葉です。 爽やかな香りを持つ素材はお茶の香りの決め手になりますが、もしも乾燥した状態で嗅いでみて苦手な香りがあったらこの時点で思い切って抜いてしまうのも手です。 ムリのない範囲でお茶を楽しみましょう!

2. 巡る香りと味わいを楽しむ

さあ、それではお茶をいれてみましょう。

八宝茶はお茶をいれると意外と広がるので、大きめのカップかティーポットを使うのがお薦めです。 また、見た目にも華やかで美しいお茶なので、ガラスの茶器を使うとお茶の中で素材が広がる様子を存分に楽しめます。

棗や龍眼、杏子の実などは半分に切っておくと素材の味がしみ出してより濃いお茶になります。 素材を全て茶器に移したら、上からお湯を注ぎ、蓋をしてしっかりと蒸らします。 お湯を吸ってどんどん広がる生薬たちを眺めながら待ちましょう。

蓋を開けた時にふわっと生薬の香りが広がったら出来上がり。 まずはそのままひとくち、お茶を飲んでみてください。さまざまな素材が溶け合ったお茶の香りを楽しめます。 後はお好みで氷砂糖を入れたり、切った生姜を加えてフレーバーの変化を楽しんで。

半分くらい飲んだらお湯をつぎ足して3煎くらいゆっくり楽しみましょう。 時間が経つにつれて味わいも変化します。 最初は菊や陳皮などの香りが目立ちますが、徐々に果実の甘さがじわりと広がる素材の溶け合ったお茶になっていくので、ぜひ時間をかけてのんびり楽しんでください。

3.お茶に揺らめく素材の美しさ

お湯をそそいで時間が経つと、素材が十分に開いてお茶の中はさながら賑やかなパーティーのよう。いろいろな果実やお花、茶葉たちが揺らめいています。 後半は、お茶の中に広がる小宇宙を探索してみましょう。

中でもひときわ目を引くのが棗や枸杞の実などの赤い実たち。 そっとすくって口にふくむと、甘い実の味が広がります。 白くふっくらとした龍眼の実は、お湯を差す前とは別人のよう。こちらも果実なので食べることができます。

白い布のようなドレープを広げてたゆたうのは白きくらげ。裾のフリルが愛らしくボリュームもあります。 菊の花のコサージュを添えて、ちょっとよそゆきにおめかしをしていますね。 こうした素材はお茶によって内容もがらりと変わるので、ぜひその時々で違いを楽しんでくださいね。

目で見て、舌で楽しめる八宝茶ツアーはいかがでしたでしょうか?

どの素材も身体にいいものばかりなので、ぜひ寒い季節のデザートティーに八宝茶を取り入れてみてくださいね。

今の季節にお薦めのお茶


日月潭紅茶は台湾中部南投県の魚池郷にある日月潭(リーユエタン)と呼ばれるとても美しい湖のほとりで作られる工夫紅茶です。魚池郷は海抜600~800メートル程で年間の湿度が安定していることから紅茶の栽培に適しており台湾では紅茶の故郷と言われています。 日月潭紅茶に使われる茶葉は紅玉(台湾18号)という比較的新しい茶葉ですが台湾の原山種とアッサム種を交配改良して作られた品種なので濃厚なコクと香り、渋みがありミルクティーに向いています。水色は鮮やかな紅玉色(ルビー色)で肉桂(ニッケイ)や茴香、生姜など複雑でオリエンタルな香りを合わせもっており後味は爽やかです。 台湾の老舗、華剛茶業の茶葉を当店が正規直輸入しているので味と香りはお墨付き! 台湾が育んだ珠玉の紅茶をお楽しみ下さい。

お茶の子さいさい

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お茶会を彩るお茶と茶器に

' It's the stupidest tea-party I ever was at in all my life! '

- Lewis Carroll "Alice in Wonderland"


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